Brian Blade / ブライアン・ブレイド

Jazz Drummers of Today現代ジャズドラマー列伝Brian Blade / ブライアン・ブレイド / No,004

Brian Blade / ブライアン・ブレイド
– 1970年ルイジアナ州シュリーブポート生まれ –

9歳でヴァイオリンを始める。教会でゴスペルに親しみドラムを担当していた兄の影響で中学でドラムを始めた。
高校時代、ドーシー・サマーフィールド・ジュニアに師事し、コルトレーン、パーカー、マイルス、ブレイキー、モンク、エルビン・ジョーンズ、ジョニ・ミッチェルの音楽に傾倒。18歳でニューオーリンズに移り住み、ロヨラ大学に入学。1988年から1993年にかけてエリス・マルサリス等のニューオーリンズ在住の有名ミュージシャン達とセッションを交わす。
ジョシュア・レッドマン、ケニー・ギャレットのサイドマンとしてデビュー。
ジャズ・シーンの精鋭のみならず、ロック界の大御所のレコーディングにも参加。
1997年「ザ・フェロウシップ」バンドを結成し、2000年に入ってウェイン・ショーターのカルテット加入。2009年にはチック・コリアのグループまたトリオに参加。現在、最も多忙なジャズ・ミュージシャンのひとりとして世界を飛び回っている。
また、ジョニ・ミッチェルやノラ・ジョーンズなどヴォーカリストのパートナーとしても信頼が厚い。
しなやかで歌を感じさせるドラミング。
高度なテクニックを持ちながらも溢れる感性で常に全体のサウンドを考えたプレイに徹するスタイル。ドラマーというより音楽家としての姿勢が真摯で、何より楽しそうにプレイするその姿は、バンドメンバーばかりか聴衆を魅了して一つにしてしまう。

次代を担うエース達の野心作、新しい革袋に盛られた新しい酒!
It is the ambitious work of the next generation of aces, New wine placed in new wineskins!

Joshua Redman / Timeless Tales / 1998
ジョシュア・レッドマン / タイムレス・テールス

Tenor Saxophone, Alto Saxophone, Soprano Saxophone, Produced By, Arranged By – Joshua Redman
Bass – Larry Grenadier
Drums – Brian Blade
Piano – Brad Mehldau
Composed By – Joshua Redman (Tracks: 2, 5, 8, 10, 12, 14, 16)

現代ジャズドラマー列伝、≪ ブライアン・ブレイドの巻 ≫ 第4弾。
ジョシュア・レッドマンをもう1枚。

このアルバムは、1998年リリース。
以前紹介したヴィレッジヴァンガード・ライヴが1995年で、それから2枚のアルバムが同じメンバーのカルテットでリリースされた。

そして本作は、カルテット名義ではなく個人名義でメンバーもガラッと代わっている。
唯一代わっていないのが、ドラマーのブライアン・ブレイド。
それほど信頼も厚いし、どんな楽曲、リズムでも大丈夫という信頼感があるのかな。

このアルバムは、全17曲中、10曲がスタンダードというか有名曲のカヴァー。
のこり7曲が自作で「インタールード1〜7」と題され、有名曲の間に間奏のように配置されている。

思えば、ハービー・ハンコックの「ザ・ニュー・スタンダード」が1996年。
ハンコックなりの、あらたなスタンダードが提示されたアルバムだけど、
次代を担う若きエースには、
オレ達だったら、この選曲で、こうするね、という考えがあったのかもしれない。

お馴染みの曲が、聴いたこともないアレンジを施されプレイされる。
そして、その為には、いままでのカルテットではなく、
ブラッド・メルドーとラリー・グレナディア、
そしてブレイドの力が必要だったということだろう。

冒頭の “Summertime” を聴いただけで、レッドマンとメルドーががっぷり組んでのアレンジメントということが分かるし、メルドーの力量が、このコンセプトを半端ないことにしているには確実だ。尋常じゃないピアノのリフが刺激的で、以下全ての曲において、この非凡な2人の才能がスパークしている様が確認できる。

新しい革袋に盛られた新しい酒、そんなアルバム。

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