Piano Trio

Keith Jarrett Trio / The Out-of-Towners / 2004年
キース・ジャレット・トリオ / ジ・アウト・オブ・タウナーズ / No.3290
Legendary Series / Jack DeJohnette
レジェンダリー・シリーズ
ジャック・ディジョネット / No.012

刀を持ったジャック・ディジョネットが、吹雪の中を駆け抜けてゆくような緊張感をたたえたドラム・ソロ!
A tense drum solo that sounds like Jack DeJohnette with a sword running through a blizzard!

Piano – Keith Jarrett
Bass – Gary Peacock
Drums – Jack DeJohnette
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
JazzDog’s Rating ☆☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Feel good / ご機嫌度 ☆☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆☆
Aesthetic / 美しい〜度 ☆☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆

レジェンダリー・シリーズ≪ジャック・ディジョネット≫、またまたキース・ジャレット・トリオ。

もちろんジャック・ディジョネットの参加レコーディングはあまたあるのだが、
そのクオリティの高さで考えると、どうしてもこのトリオに帰って来てしまう。

ディジョネットが、ほかのアルバムで手を抜いているのでは、もちろんない。
ただ、相手あってのジャズだ。
並(いや並以上でも)の相手では、ディジョネットも抜こうにも刀を抜けない。

この作品は、2004年リリースだけど、レコーディングは2001年。
いわゆるキース・ジャレット・トリオのヴィンテージ・イヤーだ。
なんせこの年のライブだけで4枚のアルバムが出ている。
もちろん、いずれのクオリティも素晴らしいものがある。

そんな4枚から、このアルバムを選ぶのは、
3曲目 “ I Love You ” のディジョネットのソロが、秀逸だからだ。

秀逸というか、
そこだけこの曲の印象ともまるで違った異世界が出現する。

“ I Love You ” という甘い言葉とは裏腹に、
なにかディジョネットが刃をきらめかせて、吹雪の中を走っているような、
異様な緊張感、張り詰めた空気が出現する。

何だこれ!と思いながらも、ついついこのソロがまた聴きたくなってしまう。
そんな、大好きなアルバムなのだ。

もちろん、アルバムの楽しさ、開放感、美しさ、完成度はピカイチ。
1〜3曲目と比較的甘くロマンティックで明るくたのしい雰囲気が漂う。
そんな中に、あらわれる緊張感が、また堪らない。

べつに叩きまくってるわけではない。
一聴してジミなシンバルワークが中心。
しかし、ここにディジョネットの真骨頂がある。

まあ、特にドラムにさほど興味がなくとも、
アルバムとして非常に優れた作品、傑作。
お楽しみあれ。

RELATED POST