ケンドリック・スコットの衝撃的なデビュー・リーダー・アルバム！
Kendrick Scott’s stunning debut leader album!
Kendrick Scott Oracle / The Source / 2007年
ケンドリック・スコット･オラクル / ザ・ソース
Drums – Kendrick Scott
Acoustic Bass – Derrick Hodge
Guitar – Mike Moreno (Tracks: 1, 4, 5, 6, 7, 11), Lionel Loueke (Tracks: 2, 3), Lage Lund (Tracks: 6, 7, 9, 10)
Piano – Aaron Parks (Tracks: 1, 2, 3, 5, 9, 10)
Electric Piano – Aaron Parks (Tracks: 6, 7, 11)
Electric Piano – Robert Glasper (Tracks: 6, 9)
Soprano Saxophone – Myron Walden (Tracks: 2, 9)
Alto Saxophone – Myron Walden (Tracks: 1)
Bass Clarinet – Myron Walden (Tracks: 7, 11)
Tenor Saxophone – Seamus Blake (Tracks: 1, 9)
Tenor Saxophone – Walter Smith III (Tracks: 5, 10)
Vocals – Gretchen Parlato (Tracks: 5)
現代ジャズドラマー列伝 ≪ ケンドリック・スコットの巻 ≫ 第2弾は、
自らのファースト・リーダー・アルバム。
“Kendrick Scott Oracle” とは、自らのバンド名というか、プロジェクト名。
そのメンバーたるや凄い。
まず、ベースがデリク・ホッジ、ピアノがアーロン・パークス。
ロバート・グラスパーもエレピで1曲参加。
サックスでマイロン・ウォルデンにシーマス・ブレイクが2曲参加、
ウォルター・スミス3世も2曲参加。
ヴォーカルでグレッチェン・パーラトが1曲参加。
そしてギターがマイク・モレノにリオネル・ルイケが2曲参加で、ラーゲ・ルンドが4曲参加している。
若手、同世代の実力派勢揃いといった風情で、
特にベースのデリク・ホッジとピアノのアーロン・パークスと
3人が、がっぷり4つで作った感が強い。
デリク・ホッジ曲が1つ、パーラトとの共作が1つ、
グラスパーとの共作1つ、ビョークのカヴァーが1曲、
あとはすべてケンドリック・スコットの作品だ。
これこそがNYのコンテンポラリーといった楽曲。
もちろんインプロビゼイションはたっぷりあるけど、
楽曲主体というかアンサンブルに重きがあって、
世界観で聴かせるというタイプの曲ばかり。
おしゃれで耳障りいいけど、おそろしく難しそうな曲ばかり。
パーラトのボーカル曲がまた時代の先駆け的な、
これまでのジャズ・ヴォーカルとは大きく異なる空気を持っている。
全体のサウンドを完璧にコントロールしながらも、
しなやかにメリハリあるドラミングでリードするケンドリック・スコット。
いやはや、これがファースト・アルバムとはおそれいるばかり。
Kendrick Scott / ケンドリック・スコット
– 1980年、テキサス州ヒューストン生まれ –
ドラムとの出会いは、両親そして兄が音楽活動に携わっていた教会でのことだった。ヒューストンの有名なHSPVA（High School for the Performing and Visual Arts）に入学し、そこで多くの賞を受賞。顕著なものは、ダウンビート・マガジン・スチューデント賞、国際ジャズ教育協会（IAJE）と全米芸術振興財団から贈られたクリフォード・ブラウン／スタン・ゲッツ・フェローシップ。
1998年、高校卒業後はバークリー音楽大学に入学し、2002年に卒業して以来クルセダーズ、パット・メセニー、ジョー・ロヴァーノとケニー・ギャレット、ダイアン・リーブス、リズ・ライト、グレッチェン・パラート、テレンス・ブランチャードなど、さまざまな有名アーティストと共演している。
シャープで明瞭でありながら太く心地よい音色、どっしりとしたグルーヴ感、幅広いダイナミクスを持ち、楽曲の本質的なところを大きく膨らましてゆく音楽感、センスに満ちあふれたドラミングが特徴。
セッション･ワークもさることながら自身のバンドをクリエイトすることにも大いなる才を発揮する時代のリーダー。
