2024年の20枚!

極上のサウンドに浮かびあがる深い陰影、愛、平和、理解

Keyon Harrold / Foreverland / 2024年
キーヨン・ハロルド / フォーエヴァーランド

Flugelhorn, Trumpet, Vocals – Keyon Harrold
Turntables – Jahi Sundance (Tracks: 1, 10)
Bass – Burniss Travis (Tracks: 1, 3, 4, 5, 6, 7, 8), Brandon Owens (Tracks: 9)
Drums – Chris Dave (Tracks: 1, 2, 3, 4, 5, 6, 9), Marcus Gilmore (Tracks: 7, 8)
Percussion – Chris Dave (Tracks: 2)
Piano, Organ – Jahari Stampley (Tracks: 1, 5, 6)
Piano – Robert Glasper (Tracks: 4)
Electric Piano – Robert Glasper (Tracks: 1, 10), Jahari Stampley (Tracks: 3)
Human Beatbox – Robert Glasper (Tracks: 10)
Piano – Greg Phillinganes (Tracks: 9)
Synthesizer – Robert Glasper (Tracks: 4)
Keyboards – BIGYUKI (Tracks: 7, 8)
Guitar – Justus West (Tracks: 1, 5), Randy Runyon (Tracks: 3, 4,), Nir Felder (Tracks: 5)
Vocals – Common, Jean Baylor (Tracks: 1, 10)
Vocals, Keyboards – PJ Morton (Tracks: 2)
Vocals – Laura Mvula (Tracks: 4)
Vocals – Malaya (Tracks: 6)

本日は、俊英トランペッター キーヨン・ハロルドの最新アルバム。

ロバート・グラスパー一派というか、グラスパー・グループの一員とも言えるハロルドだけに、グラスパーを始め一派の錚々たるメンツがよってたかって作ってる感の強いアルバム。

ドラムには、クリス・デイヴにマーカスギルモア。
キーボーディストとしては、グラスパーの他にグレッグ・フィリンゲインズに、ジャハーリ・スタンプリーに、何と言ってもBIG YUKI。
ベースは、バーニス・トラヴィスにブランドン・オーエンス。
ギターに、ジャスティス・ウェスト、ランディ・ラニヨン、ニル・フェルダー。
ヴォーカルには、コモン、ジーン・ベイラー、PJモートン、ローラ・マヴーラ、マラヤという豪華な布陣だ。

ジャズというより最先端R&Bという雰囲気で、ゴージャス極まりないサウンド。
各曲の作曲クレジットを見ると、ほとんどの曲が参加メンバーの全員に近い名前が上がってることから、それぞれの曲は何らかのモチーフをもとに全員でセッション的に作り上げられる「グラスパー方式」で出来ているのだろう。もちろん、そこかしこにジャズミュージシャンらしい小技や響きが宿りまくっていて、ついついニヤリと聴いてしまう。
そんな創造的なメンバーの中にBIG YUKIが堂々と名を連ねている事実も、なんだか嬉しい。

極上のメロウサウンドの中には、キーヨンがコロナ禍で体験したという、
母の死や息子のさらされた人種差別的な事件などからくる様々な負の感情と、
それを同時に癒やしてくれた家族と音楽のへの愛や慈しみの感情が浮かび上がっては揺れている。

ジャンルを超えて、表現することに素直に正直に向き合ったキーヨンの1枚は、
ブラックミュージックの最新進化系とも言える名盤。

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