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Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Jorge Rossy / ホルヘ・ロッシ / No,003

Jorge Rossy / ホルヘ・ロッシ
– 1964年スペイン・バルセロナ生まれ –

バルセロナ生まれのホルヘ・ロッシは、80年代からスペインのジャズ・シーンでドラマーとして活動していた。
トランペットを学ぶためにバークリー音楽大学に進んだものの、ボストンでもドラマーとしての才能に注目されダニーロ・ペレスのトリオに抜擢された。90年代初頭にニューヨークに移ると、ブラッド・メルドーと出会い、彼の初リーダー作 “Introducing Brad Mehldau” に参加して以来、約10年間メルドー・トリオに在籍。
スタンダード曲を変拍子で快適に演奏することは、南米やアフロ・キューバンのリズムを熱心に研究していたロッシからの影響が大きかったとメルドーは指摘している。
ドラマーとしてカート・ローゼンウィンケル、マーク・ターナー、クリス・チークらに重用されたロッシだったが、ピアニスト・作曲家としての自らの可能性についても探求し続け、近年はヴィブラフォン・クインテットを結成し、精力的な活動を行っている。
( Blue Note Club: 文 / 原 雅明 より抜粋 )
軽くて繊細なタッチと正確な拍子感、
何より「音楽的ドラミング」と称せられる独特なタッチとバランス感覚は見事。
バンドの各自の音について、非常に高度な聴く耳を持ったドラマー。

kurt Rosenwinkel / East Coast Love Affair / 1996年
カート・ローゼンウィンケル / イースト・コースト・ラヴ・アフェア

Guitar – Kurt Rosenwinkel
Bass – Avishai Cohen
Drums, Producer – Jorge Rossy

カート・ローゼンウィンケルのソロ・デビュー・アルバムは、なんとホルヘ・ロッシのプロデュース!
Kurt Rosenwinkel’s debut solo album was produced by Jorge Rossi!

現代ジャズドラマー列伝 ≪ ホルヘ・ロッシの巻 ≫ 第3弾は、これ。

ちょっと、めずらしいというかジミめな1枚。
カート・ローゼンウィンケルのソロ・デビュー・アルバムなんだけど、
なんとプロデュースをホルヘ・ロッシがやっている。

そして、ギター・トリオなんだけどベースを務めるのがアヴィシャイ・コーエン。
ありそで、なさそな組みあわせ。
ローゼンウィンケルとコーエンが70年生まれ。
ひょっとして3人はバークリー音楽大学で仲良かったのかもしれない。

オープニングとラストだけがローゼンウィンケルのオリジナルで、
あとはスタンダードという構成。

カートのギターサウンドは、まあエフェクターは使われているものの、
カートとしては、ほぼナチュラルと言ってもいいサウンド。

全体として、とつとつというか、さして盛り上げる気も無さそうに
淡々とカート節が続くけど、ギター好きになら耳をそばだてるに違いない、たぶん。
いや、実際だんだんトリオの作り出す音世界に、引き込まれることは請け合い。

カートが食えない頃、ジョン・スコフィールドにずいぶん世話になった話は聞いたことあるけど、このアルバムは、早々と名を馳せたホルヘ・ロッシとアヴィシャイ・コーエンが友人の為に骨を折ったのかもしれない。まあ想像だけど。

みんなから可愛がられる世渡りベタなカートって感じがするけど、
それもこれも持ってる非凡な才能と音楽への姿勢がそうさせるのだろう。

なんだか、微笑ましいカート・ローゼンウィンケルの原点的作品。

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