モントルー・ジャズ・フェスティバル・ソロ・ピアノ・コンペティション賞受賞、キューバン・ピアニスト マリアリー・パチェーコが自身の指向性を大きく示したオーガニックなトリオ作品。
Winner of the Montreux Jazz Festival Solo Piano Competition Award, Cuban pianist Marialy Pachco is an organic trio work that shows a great deal of her own directionality.
Marialy Pachco / Spaces Within / 2013
Piano – Marialy Pacheco
Bass – Pat Marchisella
Drums – Joe Marchisella
きょうは三日紹介のデュオ・アルバム参加のもう1人。
キューバのピアニスト、マリアリー・パチェーコのアルバム。
パチェーコは、2012年にモントルー・ジャズ・フェスティバルでソロ・ピアノ・コンペティション賞を受賞。拠点を移し、オーストラリアのレーベルからリリースされたのが、これ。
全曲自身の作で力入ってる。
1曲目から快調に飛ばす。
ちょっと前のめり気味に駆け上がるような彼女のフレーズが心地よい。
ドラムのジョー・マルキセラとベースのパット・マルキセラのサポートも素晴らしい。
とくにバシバシあおるマルキセラのドラミングは見事だ。
2曲目からは、すこしクールダウン。
全編にわたってアフロ・キューバンな空気は微塵もなく、
コンテンポラリーというか、むしろクラシックの要素を感じる演奏が続く。
自然のなかを大らかに飛翔するような楽曲。
キース・ジャレットの影響を感じるような自由なサウンドだ。
その中で、彼女のピアノが跳ね回り、感情の起伏が表情をつくり出す。
実験的な響きも随所に見られ彼女の指向性が大きく表れた作品。
各曲のタイトルからも分かるが、
自然や大地、季節、オープンなスペースを歌ったオーガニックな1枚だ。