それまでの参加アルバムは300を超えるマイケル・ブレッカー、87年満を持しての初リーダー・アルバム。
In 1987, Michael Brecker, who had participated in more than 300 albums, released his first album as a leader.
Jack DeJohnette / Legendary Series
Michael Brecker / Michael Brecker / 1987
Tenor Saxophone, Electronic Wind Instrument – Michael Brecker
Bass – Charlie Haden
Drums – Jack DeJohnette
Guitar – Pat Metheny
Keyboards – Kenny Kirkland
Producer – Don Grolnick
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆
レジェンダリー・シリーズは、ジャック・ディジョネットを追っかけてます。
今日のアルバムは、マイケル・ブレッカー1987年の初リーダー作品。
まず、ブレッカーのキャリア、人気からして1987年が初リーダー作というのが、驚きだ。
なんせマイケル・ブレッカーのレコーディング・デビューは1969年、二十歳のときだ。
その年に、兄貴ランディ・ブレッカーのアルバム、72年にはマイク・マイニエリ関連、そのころからルー・リードやジョン・レノン、エアロスミス、ブルース・スプリングスティーンなどロック&ポピュラーの名だたるメンツ、75年にはブレッカー・ブラザーズでデビュー。もう数え上げればキリがないほどの活躍。
そして、80年にはジョニ・ミッチェルそしてパット・メセニーと。その後もチック・コリアにジャコ・パストリアスにスティーリー・ダン関連と破竹の勢いだ。
人気者過ぎて、自分のアルバムにまで手が廻らなかったのかもしれない。
初リーダー作以前の参加アルバムが300を超えるというから凄い。
満を持してのこのアルバム、メンバーも厳選してのレコーディングだったのだろう。
ベースがチャーリー・ヘイデン、ドラムがジャック・ディジョネット。
ギターにパット・メセニー、キーボードがケニー・カークランドという鉄壁の布陣だ。
まずオープニング、ザ・80年代フュージョンなサウンドに苦笑い。
いきなりのスローなナンバーは余裕か。
そして2曲目、本気モード。
ディジョネットのドラムとサックスの一騎打ち的導入からの高速4ビートにいきなり体温が上がる。
その後も、硬軟取り混ぜて、というか多彩なアイデアくり出して飽きさせない。
というか、マイケル・ブレッカー節が全編にわたって冴えわたる。
特に早いフレーズとかではなくとも、細かなフレーズの一つ一つに「これこれ、これだよ!」と頷いてしまう。
各メンバーのプレイも極上だけど、とくにメセニーとの相性の良さというか、2人の気持ちよさが伝わってくるようなプレイに聴いてるこちらもうれしくなる。
最後は、ブレッカーのウルトラ・ソロから始まる“My One And Only Love”で渋くしめて終了。
脂の乗りきったブレッカーの初リーダー作品、ご堪能あれ。