まさしく音の万華鏡!世界を驚かせたギタリスト、マイルス・オカザキの初リーダー作品。
A true kaleidoscope of sound! This is the first leader work of Miles Okazaki, a guitarist who surprised the world.
Miles Okazaki / Mirror / 2007
Guitar, Kanjira, Computer – Miles Okazaki
Alto Saxophone – David Binney(Tracks: 4 to 6, 8, 10, 13 to 15), Miguel Zenón(Tracks: 3, 7, 9)
Tenor Saxophone – Chris Potter (Tracks: 12)
Bass Clarinet, Alto Saxophone, Soprano Saxophone, Harmonica – Christof Knoche(Tracks: 5, 9, 10, 15)
Drums, Tabla, Frame Drum – Dan Weiss
Electric Bass, Acoustic Bass – Jon Flaugher
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆☆
Feel good / ご機嫌度 ☆☆☆
Fantastic / ファンタジック度 ☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆☆
Funky / ファンク度 ☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
マイルス・オカザキのアルバムは、サブスクリプション(Spotify)にあまりないと、昨日書いた。というわけで、昨日の “ トリックスター ” ともう1枚だけあるのが、本日の “ ミラー ” 。こちらは、2007年の初リーダー作品だ。
もちろん、こちらもトリックスター同様、ほぼ変拍子あるいはポリリズミックな展開で変態性高し。ただ、変拍子に想像しがちなメカニカルな冷たさというか、人間味のなさとはだいぶ違う空気。
緻密に計算されたリズムのギミック、ハーモニー、アンサンブルの構築。
そしてコルトレーンとJ.S.バッハを引用しての論理的な展開。
どうみても頭でっかちな音楽なハズなのに、
ファニーでオーガニックで親しみやすい。
どこかジョー・ザヴィヌルを彷彿とさせるような明るさと茫洋さを併せ持つメロディ。
ほのぼのとしたテーマなのに、ズブズブと足を取られるようなリズムに微笑んだり。
美しいバラードだと思って浸っていたら、テンポが走ったりもたったりな錯覚に陥ったり。
もちろん、とんでもないサックスをはじめリード陣のソロが展開したり。
逆回転の曲があったり。躍動感や高揚感に震えたりと飽きさせない。
とにかく、半端なく緻密でありえないような計算と
メンバー各自の高い技術と理解とチームワークのうえで成り立ってる音楽なのに、
じつに楽しい。
メンバーは、アルトサックスのデヴィッド・ビニー&ミゲル・ゼノン。
テナーサックスのクリス・ポッター。
バス・クラリネットほかサックス、ハーモニカなどこなすクリストフ・クノッヘ。
ドラムのダン・ワイスとベースのジョン・フラウガーという布陣。
とんでもないハイテク集団が十二分に力を発揮してる。
このアルバムって傑作。
マイルス・オカザキの名は、この1枚で世界に知れ渡っていいはずなのに、
なぜ、いまいち日本でマイナーな存在なんだろう。日系人なのに。
ちなみにカバーに使用の絵画も本人作。
ギタリストという枠を大きく踏み越えた音楽家マイルス・オカザキ。
持てる才能をすべて出し切った初リーダー作にして傑作。
強くオススメする。