UK サックス・レジェンド スタン・サルツマンに火をつけたキット・ダウネス!
Kit Downes ignites the spirit of UK Sax Legend Stan Saltzman!
Neon Quartet / Subjekt / 2012
Saxophone – Stan Sulzmann
Drums – Tim Giles
Piano, Organ – Kit Downes
Vibraphone – Jim Hart
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Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆
Dreamy / ドリーミー度 ☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆
先週、昨日と取り上げたUKジャズの雄、
ピアノ・オルガン奏者キット・ダウネス関連をもう1枚。
このアルバムは、また別プロジェクトのカルテット。
メンバーは、サックスのスタン・サルツマンにヴィブラフォンのジム・ハート。
ピアノ、オルガンのダウンズに、ドラムのティム・ジャイルズという布陣。
キット・ダウネスが、兼ねることでのベースレス、変則カルテットということになる。
リーダーがUKジャズのレジェンダリーな存在、
1948年生まれのスタン・サルツマン。
(48年といえば日本では、辛島文雄・山本剛といったところ)
そして、後の3人が新しい世代ということになる。
彼らのサウンドは、UKのジャズ・批評サイトでは、 “ チェンバー・ジャズ・アンサンブル ” という表現でよく表されている。
クラシカルな要素をふんだんに持った楽曲主体のジャズということだろうか、
なるほど、それがクラシカルな基盤を持った人が演るジャズが主流なヨーロッパらしさかもしれない。
いや、いまや世界的に、そういったジャズが主流になりつつある気もする。
ヴィブラフォンとダウンズのオルガンが曲の流れをつくってゆき、そこにサルツマンのテーマ、およびソロが乗っかってゆくパターンが多く、ほかのダウンズ作品に比べれば比較的コンテンポラリーの型を感じる曲が多い。
とはいえ聴いたことないような個性を感じるサウンドメイクは、やはりダウネスの成せる技か。
ダウネスのオルガンはいつ聴いても個性的。
まるでオルガンらしくないというか、R&Bの香りが全くなく、
シンセぽくピコピコな感じもあっておもしろい。
クレジットで確かめると使用機材が電子的なオルガンではなく正統 “ Hammond Organ ” 、バリバリのアナログであることに、また驚く。
ヴェテランと若手がガッツリ手を組んだ変則カルテット。
まだの方は、ぜひ。