一気に引き込まれること間違いなし、マルティーノのデビュー作にして傑作!
A masterpiece, Martino’s debut, that will surely draw you in at once!
Pat Martino / El Hombre / 1967
Guitar – Pat Martino
Bongos – Vance Anderson
Congas – Abdu Johnson
Drums – Mitch Fine
Flute – Danny Turner
Organ – Trudy Pitts
Recorded By – Rudy Van Gelder
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Feel good / ご機嫌度 ☆☆☆
Latin Flavor / ラテン度 ☆☆☆
Swingy / スウィング度 ☆☆☆
Bluesy / ブルーズィ度 ☆☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
先週、
「ほんとマルティーノのことは ≪ レジェンダリー・シリーズ ≫ で取り上げたいのに、サブスクに音源が少なくて出来ないのが悩ましい」なんて書いた。
改めてSpotifyを見返すと前よりは増えている気がする。
依然、肝心なアルバムの欠落はあるけど、
新たな ≪ レジェンダリー・シリーズ ≫ で、マルティーノいっちゃうことにしたい。
ゲーリー・バートンは、まだ続くけど並行して始めたい。
ということで、
≪ レジェンダリー・シリーズ ≫ パット・マルティーノの巻、No.001は、これ。
1967年のデビューアルバム “ エル・オンブレ ”、弱冠22歳での吹き込み 。
意味は “ ザ・マン ” 、自作の3曲目タイトルであり、
まさしく脅威の新人マルティーノのことを指しているアルバム・タイトルだ。
これ、メンバー紹介すると、
ドラムのミッチ・ファインに、
ボンゴのヴァンス・アンダーソン、コンガのアブドゥ・ジョンソン。
フルートがダニー・ターナーで、オルガンがトラディ・ピッツという布陣。
つまり、ベースレスのラテン系オルガン・ジャズということだ。
もう全編ご機嫌。
金曜のジャケットの顔じゃないけど、
ちょっとクールで近寄りがたいイメージのパット・マルティーノだけど、
こんなに、弾けた楽しい演奏するんだ!と驚く。
トラディ・ピッツのオルガンが、あまりくどくなく、
マルティーノのギターを引き立てながらも絡みまくっていい仕事してる。
フルートとユニゾンなテーマが何曲もあって、パーカッションと相まってラテン・フレーヴァー炸裂、いい感じ。
曲によっては、ピッツのオルガン・ベースラインがアフリカンで、スピリチュアルな空気を感じさせるも、あくまでクール。
マルティーノのギターは、これがファーストか!というほど堂に入たプレイで、
粒立ちのいいクリアなピッキングで、よく歌い、よくスウィングしてる。
芯のあるミドル・トーンが心地よく。
スピード感溢れる縦横無尽のフレージングで圧倒してくれる。
オルガン・ジャズということもあってか、グラント・グリーンの影響も感じさせるし、
ウェス・モンゴメリの奏法も出てきて楽しい。
全7曲中、5曲がオリジナルで、残りはジョビンとジョン・クレナー。
一気通貫に楽しませてくれて、
ラスト、クレナーの “ Just Friends ” が、圧巻。
正統派ギタリスト、ジェシ・ヴァン・ルーラーが、
2年間毎朝目覚ましにかけていたというぐらいの名演。
ギタリストを志すモノも、そうでないモノも、
一気に引き込まれること間違いなしのマルティーノのデビュー作にして傑作。