レムは言う「音楽は、リスナーであるあなた、観察者であるあなた、そしてダンスパートナーであるあなたとつながるための私の最初のステップです」
Lemm indicates “Music is my first step to connect to you, the listener, the observer, the dance partner”.
Philippe Lemm Trio / First Steps / 202
Drums – Philippe Lemm
Piano – Angelo Di Loreto
Bass – Jeff Koch
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Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆
Dramatic / ドラマチック度 ☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆☆
Aesthetic / 美しい〜度 ☆☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
きょうも、ピアノ・トリオを紹介。
このアルバムは、水曜紹介のサイモン・ムリエ(2曲だけ)が参加しているということで知った。
リーダーのドラマー フィリップ・レムは、オランダ出身の元ダンサーという経歴。
ピアノが、NY生まれのアンジェロ・ディ・ロレート。
ベースが、同じくNY生まれのジェフ・コーチ。
3人は、音楽学校で出会って以来トリオを結成、10年のキャリアを持つ。
ムリエが参加のオープニング曲から引き込まれる。
リーダーのレムがオランダ人ということもあるのか、
あるいはサウンド面で負うところの大きいピアノのディ・ロレートの個性なのか、
ヨーロッパ色の濃い、と言うかアメリカらしさをあまり感じないジャズ。
クラシックやポピュラー・ミュージックあるいは、様々な民族音楽やパーカッシブなリズム、
それこそリーダー レムのバックボーンに由来する無国籍な音楽がひろがる。
滑らかで美しく、懐かしいようなフォーキーさを持ちながらダンサブル。
しかし、
これからまだまだ可能性を秘めたトリオだというのに、2020年10月悲劇が襲う。
ピアノのアンジェロ・ディ・ロレートが心臓発作で急死。
このアルバムは、ディ・ロレートの最後の歌となってしまった。
30歳という若さ、溢れる才能、あまりにも残念。
アンジェロ・ディ・ロレートの音楽人生は以下に。
ご冥福をお祈りする。
彼の音楽的才能は「神からの完全な贈り物」であると、父親のドメニックは語っています。”彼は音楽を作るために生まれてきた “と。彼が子供の頃、父親が時折「今、頭の中で音楽が聞こえているか」と尋ねると、息子は「いつもだよ、父さん」と答えていたという。
グレーター・バッファロー・ユース・オーケストラに5年間在籍し、打楽器奏者とピアニストとして活躍。2007年には、ジョン・コルトレーンの作品5曲をオリジナルにアレンジした演奏を同オーケストラで披露し、翌年のシニアコンチェルトコンペティションで優勝。
イーストマン・コミュニティ・ミュージック・スクールのプレカレッジ・ジャズ・スタディーズを優秀な成績で卒業し、イーストマン・ユース・ジャズ・オーケストラにも参加。2011年にマンハッタン音楽院でジャズピアノ演奏の学士号、2013年にジャズピアノ作曲の修士号を取得。
フィリップ・レム・トリオのピアニストとして活躍。3枚のCDを録音し、フィンランドとスペインのジャズフェスティバルでデビューしたほか、リトアニア、ドイツ、ベルギーでも公演を行うなど、幅広いツアーを行う。2015年にベルギーで開催された「B-Jazz International Contest」で優勝し、最優秀ソリストに選ばれた。
また、オランダのMetropole Orkestのために音楽のアレンジを依頼される。
2012年にイギリスで開催されたノッティンガム国際ジャズピアノコンクールでファイナリストとなり、2020年を含めてASCAPハーブ・アルパート・ヤング・ジャズ・コンポーザー・アワードを3度受賞。
2013年、ディロレート氏はレムやコッホなどの同僚とともにインドのムンバイに4ヶ月間移り住み、インド初の総合的な音楽教育機関であるTrue School of Musicの初代教授として活動。また、カナダのジャズ作曲家・ピアニストのレネー・ロスネスとの共演や、ボリウッド歌手のシルパ・ラーオとのツアーなど、ムンバイやインド各地で指導や演奏活動を行なう。
友人のアダム・クロメロウ氏と共に、ロックバンド「ジェネシス」の初期の音楽を2台のピアノで演奏する「ジェネシス・ピアノ・プロジェクト」で北米とヨーロッパをツアー。
2019年にデル州レホボト・ビーチにあるオール・セインツ教会とセント・ジョージズ・チャペルの125周年を記念して、ジャズ・ミサ曲の作曲を依頼される。
俳優であり、声優でもある彼は、200冊以上のオーディオブックのナレーションを担当。ソフィア・セゴビアの「The Murmur of Bees」の録音では、Voice Arts Awardの最優秀フィクション・ボイスオーバー賞を受賞している。また、コマーシャルの声優や、その他の作品のナレーション・演技も担当。
(https://angelodiloreto.com/より抜粋)