さめたような熱情と、揺らめく優美さ、レミー・ル・ブフのデビュー・アルバム。
Chilling ardor and shimmering grace, Remy Le Boeuf’s debut album.
Remy Le Boeuf / Light as a Word / 2019年
レミー・ル・ブフ / ライト・アズ・ア・ワード
Alto Saxophone, Composed By, Produced By – Remy Le Boeuf
Double Bass, Electric Bass – Matt Brewer
Drums – Peter Kronreif
Guitar – Charles Altura
Piano, Electric Piano – Aaron Parks
Tenor Saxophone – Walter Smith III
先週、グラミー賞のノミネート作品として紹介したレミー・ル・ブフが素晴らしかったので、過去作を掘ってみることに。
(そういえば、ずいぶん以前にアルバム1枚扱ってた)
このアルバムは、2019年のデビュー・アルバム。
メンバーを見ると、
ピアノがアーロン・パークス、
ベースがマット・ブリューワー、
テナー・サックスのウォルター・スミス3世、
ギターのチャールズ・アルトゥラ、
ドラムのピーター・クロンレイフ(このヒトはよく知らない)、
とバリバリ コンテンポラリーのトップ・ランナー達だ。
どこまでがテーマというか書かれてて、
どこからがインプロビゼーションなのだか区別がつかないような楽曲中心。
どの曲もメロディ、ハーモニーが凝らされ美しく抒情的。
やや内省的というか派手さに欠けるけど、
ブフの指向が楽器での対話と言うよりも、
ストーリーやサウンド空間の構築(発展するとそのままラージ・アンサンブルに)に
向けられているんだな、ということがよく分かる。
そして、そのなかで、
パークスのピアノ、ウォルター・スミスとのサックス2本の絡む様が、
楽しめ、ブフらしい独自の世界を形作っている。
少し覚めたような熱情と、揺らめき、きらめく優美さ、
新たなジャズの萌芽がここにある。