渋いぜロン・マイルス、ブルー・ノート移籍第1弾。
コルネットに魅せられた男が、亡き父に捧げたアルバム。
Ron Miles / Rainbow Sign
Cornet,Producer, Composed By – Ron Miles
Bass – Thomas Morgan
Drums – Brian Blade
Guitar – Bill Frisell
Piano – Jason Moran
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆☆
Americana / アメリカーナ度 ☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆
Relaxing / まったり度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
今年リリースされたアルバムの中で、まだまだ話題作品で取り上げていないものがある。ある意味、きのう紹介の “ ウォルフガング・ムースピール / ライジング・グレース ” と近い空気をまとった作品、つまり大人の音楽ということでロン・マイルスの紹介。
ロン・マイルスは、トランペッターというかコルネット奏者。
(* トランペット、コルネット、フリューゲル・ホルンの違いはこちら)
このアルバムは、ギターの盟友ビル・フリゼールとベースのトーマス・モーガン、ドラムにブライアン・ブレイド、そしてピアノにジェイソン・モランという布陣で作りあげた。
ほとんどの曲が、彼の父親が亡くなった2018年の夏に作曲されたものだという。
このアルバムは2日間のセッションとしてレコーディングされはしたものの、当初は特にリリース予定は決まっていなかったみたいですが、アルバムに参加しているビル・フリゼールが自身が所属するブルーノート社長のドン・ウォズに音源を聴かせて、リリースが決まったという経緯
ということらしい。
昨日のライジング・グレース同様、取っつきにくいというか、あまりキャッチーではないのでアダルト・オンリーな雰囲気。
しかし、よく聴くとロン・マイルスの吹く旋律は意外とシンプルだし、メロディアスだし、ブルージーだ。アルバム通して聴き疲れしないのは、そんなコアがあるからだろう。さしずめフリー、あるいはコンテンポラリーの皮を被ったブルーズ。
そんな彼のサウンドをいぶし銀のメンバーが、さらに膨らます、交差する、遊ぶ。リラックスした大人の会話が繰り広げられる。
ブルージーで、メロディアスでアンビエントでアメリカーナ(なんだそれ)。まさしくジャズの本質であるインタープレイが、でも和やかに繰り広げられる名盤。
やはり、2020年を代表するアルバムと言える。