UKジャズの生んだ芳醇な果実、ピアノ・キーボーディストで映画音楽も手がけるのサム・クロウが彼のトリオをもとにプラスアルファの人選で作りあげた壮大で緻密な絵巻物
このアルバムも、じつはマーク・ジュリアナ繋がり。彼が全編ドラム叩いてる。
まずメンツは、アルトサックスのウィル・ヴィンソンとアラン・ハンプトンのベースとマーク・ジュリアナのドラムスが、NY組。そして、アダム・ウォルドマンのソプラノサックス、ウィル・デイヴィスのギター、ヴォーカルのエミリア・マーテンソン、そしてもちろんサム・クロウのキーボードがUK組となっている。
このアルバムも、いい意味で期待を裏切られる。
マーク・ジュリアナ起用あるいはジャケット・デザインから、なんとなくドラムンベース色の強いものを創造したけど、中味はかなりオーガニック。
映画音楽も手がける人だけあって、サウンドはかなり映像的で壮大。
緻密なアンサンブルとカラフルな音色と多彩なリズムで一枚のサウンドトラックのようでもあり、まったく飽きさせない。
ギターのウィル・デイヴィスがサウンド中核を担っているのが分かるし、そこへ起用したアラン・ハンプトンの音楽性もとてもマッチしていてサム・クロウの狙いどおりな気がする。
2013年リリースということで、同コンセプトでの次なるアルバムもそろそろ待たれるところだ。
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度☆☆
Dramatic / ドラマチック度 ☆☆
Ensemble / アンサンブル度☆☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆
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Piano, Rhodes, Keyboards – Sam Crowe
Alto Saxophone – Will Vinson
Soprano Saxophones – Adam Waldmann
Guitar – Will Davies
Bass – Alan Hampton
Drums – Mark Guiliana
Vocals – Emilia Martensson