俊英ヴィブラフォニスト サイモン・ムリエのトリオ、ど直球勝負!
The trio of Simon Mourrier, a brilliant vibraphonist, plays straight to the point!
Simon Moullier / Countdown / 2021
Vibraphone, Producer – Simon Moullier
Bass – Luca Alemanno
Drums – Jongkuk Kim
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆☆
Feel good / ご機嫌度 ☆☆☆☆
Dreamy / ドリーミー度 ☆☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
出た!ヴィブラフォンの新星サイモン・ムリエの新作!
なんと今度のアルバムはトリオでの演奏、真っ向勝負だ。
ジャケット・デザインもシンプルでカッコいい。
メンバーは、前作 ↓
と同じで、ベースにルカ・アレマンノ、ドラムはキム・ジョングク。
ともにNYで活躍する若手だ。
同じく前作でアルバムづくりに大きく関わっていたルームメートでピアノのアイザック・ウィルソンも今回は入ってない。挑戦と言ってもいい内容だ。
1曲目は、タイトル・チューン。おなじみコルトレーンの “ Countdown”、これがいい!
2曲目は、モンクの “ Work ” も斬新で驚きがある。ドラムソロ&ムリエのバッキングかカッコいい。
3曲目以降もスタンダード、おなじみな曲が続いてじつにいい調子だ。
相変わらずムリエのヴァイヴは、ヴァイヴレーションをほとんどカットしたどちらかというと無機質な音質。
ヴァイブやフェンダーローズのヴァイヴレーションには、ただ鳴っているだけで人を心地よくする効果が大きいけど、それらのアドヴァンテージを一切排した音質は、潔いとさえ言える。
さらにテンポの遅い曲でよりハッキリするのは、ヴァイブに管楽器のようなロングトーンを目指しているのかサスティーンを効かすエフェクト、あるいは色んな効果を工夫しているようで、ヴィブラフォンの可能性を広げることに力を入れていることも分かる。
前作では、オリジナルが中心でヴァイブのプレイよりも楽曲全体に気を配っている感じだったけど、今回はスタンダード中心で思い切りムリエのプレイを味わえるのが何よりもうれしい。
また特に、ドラムのキム・ジョングと同じく打楽器奏者としてのムリエのやりとりも、通常のトリオとは違った角度から楽しむことも出来るし、ベースのアレマンノもバラードではグッと前に出て来る。もちろんBGM的にぼっ〜と聴いてても、とてもご機嫌なアルバム。
音質はクールだけど、歌心は爆発!
パッと聴きジミめだけど幅広いジャズファンに受け入れられそうな1枚、これめちゃ気にいった。