カルテットとして新生バッド・プラス、爆誕!ざらついた男達のロマンチシズム。
The New Bud Plus, as a quartet, a blast born! Romanticism of men with rough sensibilities.
The Bad Plus / The Bad Plus / 2022
Bass – Reid Anderson
Drums – Dave King
Guitar – Ben Monder
Tenor Saxophone, Clarinet – Chris Speed
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆
Abstract / フリー度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
きのうもマーク・ジュリアナもそうだったけど、
同じ レーヴェル、エディション・レコード繋がりで本日はザ・バッド・プラス。
一聴して驚く。
えっ、ピアノ・トリオじゃないやん!
慌ててクレジットを確認する。
2000年にグループ結成以来、
ドラムのデヴィッド・キング、
ベースのリード・アンダーソン、
ピアノのイーサン・アイヴァーソンというメンバーでやってきた。
2017年にピアノがオリン・エヴァンスに替わり、それから2枚のアルバムが好評。
しかし、ここへきてピアノを排し、
ギターのベン・モンダーとサックスのクリス・スピードを加え、
カルテットとして生まれ変わった。
ベン・モンダーといえば、あの変態(褒め文句です)ギタリスト、
クリス・スピードはよく知らないが、
このブログには1枚 “ MAST/Thelonious Sphere Monk” に参加してる。うん、尖ってるぽい。
肝心のサウンドだけど、
オープニングは揺蕩うような浮遊感のある曲、いい調子。
2曲目当たりからエンジンがかかる。
よく聴くと楽しげなマーチなのにノイジーで過激。
3曲目では、ドンガッ・ドンガッ8ビート全開。
アルバム後半では、さらにエスカレート。
ロックなオーネット・コールマンとでも言おうか、
アブストラクトな魅力も加わって加速する。
基本、彼らの楽曲はテーマなりリフなりがシンプルで、
ほんのり哀愁をおびていて優しい。
粗野な大人たちのロマンチシズムとでも呼ぼうか。
そして、切なさを押し隠すように4人は咆哮し、ひた走る。
やんちゃだった “ロック魂”(ロックの魂を持ったジャズとか言われてた)が、
昨今では息をひそめ、むしろ淡々とした味わいが増していたバンドに、
ふたたび激しさが帰って来た感がある。
デビュー・アルバムのようにアルバム・タイトルにバンド名を付けるとこからして、
新生への意気込みが感じられる。
かっこいいぜ、ザ・バッド・プラス。
ざらついた男達の明日はどっちだ!