もっともアグレッシブなカルテットで飾ったバートン有終の美!
Barton’s finale with the most aggressive quartet!
The New Gary Burton Quartet / Guided Tour / 2013
Vibraphone – Gary Burton
Bass – Scott Colley
Drums – Antonio Sanchez
Guitar – Julian Lage
Producer – Gary Burton
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆☆
Fantastic / ファンタジック度 ☆☆☆
Dreamy / ドリーミー度 ☆☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆☆
R&B feeling / ソウル度 ☆☆☆
Funky / ファンク度 ☆☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
レジェンダリー・シリーズ ≪ ゲイリー・バートンの巻その16≫ は、2013年の “ Guided Tour ” 。バートン先生の巻はこれが最後かな(未発表音源とか出たら、また取り上げる)。
このアルバムは、2013年の4月リリース。
なんとゲイリー・バートン先生、同年の小曽根真とのデュオでの日本ツアーを最後に現役引退することを発表した。
だから、最後のアルバムは小曽根との共同名義の “Time Thread”なんだけど、
なぜだかSpotifyには音源がない、レーベルはVerveなのに(日本発売なのか ?!)。
まあ、ともあれ、カルテットあるいは自身のコンボとして最後の作品が、これである。
それが、このアグレッシブさですよ。
本メンバーでの2作目の作品。
前作もアグレッシブだったけど、今回はさらに攻めてる。
そして、ドラムのアントニオ・サンチェスが一等目立ってる。
ギターのジュリアン・ラージが3曲、ドラムのサンチェスとバートンが2曲づつ、それにベースのコーリーが1曲、あとはルグランとフレッド・ハーシュが1曲づつという内容。
よく聴くと、フュージョンぽいメロディラインの分かりやすく甘めな曲が多いのに、アレンジとアンサンブルが辛口というか、攻めすぎててビター(褒めてます)だ。
キメも多いし、サンチェスの見せ場、あるいはコーリーの見せ場も多い。
サンチェスにいたっては、見せ場以外でも叩きまくってる。
それもコーリーの強靱なラインあってのことでもある。
そして、自身のカラー以上に弾きまくってるラージ、
これが、またいい。
バートンが、どういう心境で引退発表にいたったかは知らないけど、
よく言われる「枯れた魅力」などでお茶を濁したくなかったのかな。
こんな「まだまだヤレそう」で有終の美を飾るのもまた、最高にかっこいい。
最後の最後で、こんな力強いカルテットを組んだのも素敵だし、
最後の最後に、こんなカルテットで演れたのもシアワセだろう。
確かな実績、音楽の宝物を数多く残し、
教育者としてもバークリーの学長まで務め、
多くの優れたミュージシャンを輩出したゲイリー・バート引き際の美学、見事なり。