「長年作りたいと思っていたアルバムをようやく作ることが出来た。今まではトランペッターとしてのアルバムを要求されていたからね。」 – セオ・クローカー –
“I finally got around to making the album I’ve been wanting to make for so long. It’s been a long time since I’ve been asked to do an album as a trumpeter.” – Theo Croker –
Theo Croker / Blk2life/A Future Past
Trumpet, Trumpet,Vocals,Sampler,Synth,SynthBass,Programmed By – Theo Croker
Drums, Sampler, Sequenced By – Kassa Overall
Keyboards – Michael King
Bass – Eric Wheeler
Drums – Shekwoaga Ode
Sax – Anthony Ware
Vocals, Rap – Coco+Breezy, Wyclef Jean, Ari Lennox, Charlotte Dos Santos, Gary Bartz, Iman Omari, Kassa Overall, Malaya, Wyclef Jean
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆☆
Fantastic / ファンタジック度 ☆☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆☆
Spiritual / スピリチュアル度 ☆☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆☆
R&B feeling / ソウル度 ☆☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
さて金曜日らしいアルバム(?)を紹介!
2年ぶり、オイラの大好きなセオ・クローカーの新譜。
しかも、ジャケット・イラストは Tokio Aoyama と来た!うれしい。
冒頭の本人の言葉(JazzTokyoヒロ・ホンシュクの楽曲解説より)の通り、トランペッターというより作編曲、楽曲重視であることがハッキリと分かるアルバム。合わせて彼はこうも言っている。
「ジャズっていう看板は好きじゃないけど、ジャズってのはつまり黒人音楽のすべてを合わせたものなんだ。このアルバムはそんなアルバムだ。」
なるほど、分かる気もする。
黒人音楽のすべてを混ぜ込んで更新するような音楽、あらたなグルーヴを創りだすことに専心しているんだなと。
1曲目は、自然音とナレーションだけの46秒のプロローグ。
でも、この46秒はアルバムすべてを表している。
そして、いきなりの重低音のビート。か!カッコいい。
哀切のメロディ、美しいハーモニー、そしてローファイでオーガニックながら重くてルーズなビート。最高だ。
全体通してヴォーカルものが多いけど、 ” スピリチュアル・ヒーロー ” という(セオ本人とのこと)コンセプトを考えると、1枚が映画のようなミュージカルのようなものだ特に気にならない。
まさしく魂の賛歌と聴こえるし、バックトラックも半端ない驚きに満ちてるし、 ” 黒人音楽のすべてを合わせた ” の言葉通りの世界が体感でき、何よりクールだ。
全編カッコよくてもんどり打つけど、特にオイラのお気に入りは、
よりアグレッシヴなビートの6曲目とか、唯一ソロがフューチャーされ、部族のリズムをサンプリングして増幅したかのような12曲目。心臓がバクバク高まって聴き終わった途端ため息が漏れる。
うっわ〜このアルバム、LPを予約しなきゃ。
どこを切り取ってもオシャレ音楽なのに、
詰め込まれたアイデアとセンスが飛びきりで、聴けば聴くほどカッコいい。
なおかつ胸の高鳴る見せ場でハートを鷲づかみ。
問答無用で、2021年を代表する1枚。