異文化間の架け橋となるコスモポリタニズムを象徴するサウンド!
A sound that epitomizes the cosmopolitanism that builds bridges between different cultures!
Tijn Wybenga & AM.OK / Brainteaser / 2021
Tijn Wybenga – Conductor
Alistair Payne – Trumpet
Kika Sprangers – Alto Saxophone
Federico Calcagno – Bass Clarinet
Odei Al Magut – Trombone
Pablo Rodriguez – Violin
Yanna Pelser – Viola
George Dumitriu – Viola
Pau Sola – Cello
Teis Semei – Guitar
Felix Back – Keys
Tom Pritchard – Vibraphone
Alessandro Fongaro – Bass
Jamie Peet – Drums
Angelo Boltini – Live Electronics
きょうはまた新鮮な作品をご紹介。
つい最近、海外のジャズ事情を探っていてドイツの2021年に新設されたジャズ賞の記事を目にした。
そもそも、ドイツでのジャズの人気は高いのだろうか?
指向的に日本人に近いような気がするし、大体ブルーノート・レコードだってECMだってドイツ人が作っのだから人気は高いのだろう(ザックリ過ぎるか)。
そのジャズ賞の名は “Deutscher Jazzpreis” 。
ドイツ連邦文化大臣モニカ・グリュッタースが立ち上げたドイツジャズ賞 Deutscher Jazzpreises、その第1回の授賞式が6月3日に行われた。
全部で30部門あり、演奏家だけではなく、レコーディング/プロダクション、クラブやフェスティヴァル、評論家などもその対象となっている。ピアノ/キーボード部門は高瀬アキが受賞。また、木管楽器部門では高瀬のバンド「JAPANIC」や彼女とのデュオでも活動しているダニエル・エルドマン、金管楽器部門ではマーカス・シュトックハウゼン 、国際部門ピアノ/キーボードと国際部門アーティスト・オブ・ザ・イヤーはティグラン・ハマシアン、国際部門インストゥルメンタル・アルバム・オブ・ザ・イヤーは『カーラ・ブレイ/ライフ・ゴウズ・オン』他に授与された。
“文化大臣が立ち上げた” だなんて羨ましい限りじゃないか。
しかも大臣の言葉が、まさしくジャズという音楽への理解を示している。
「この賞では、ジャズの多様性、創造性、コミュニケーション力にスポットライトを当て、優れた芸術的業績に対して賞を授与します。ジャズ・ミュージック・シーンは、常に異文化間の健全な架け橋となり、勇気、交流、協力の象徴であり、多元的な社会を反映しています。このようなコスモポリタニズムを、私たちは今後も支援していきたいと考えています」とグリュッタース大臣は述べている。
きょうのアルバムは、その2022年(今回2年目) “Debut Album of The Year International” 部門のウイナー、
ティン・ワイベンガ &アモック(読み方は当てずっぽ、誰か教えて!)だ。
Internationalと付く賞は、ドイツ国外で活躍するジャズ・ミュージシャンに贈られる。
ワイベンガは、アムステルダムで活躍する作曲者。
アモックは、彼のオーケストラの名前。
クラシック、ヒップホップ、ジャズからインスピレーションを受け、南アフリカ、トルコ、インドのスタイルに影響を受け、それらを融合している。
また、オーケストラのサウンドにエレクトロニクスや即興を組み込み、まさしく新時代のサウンドをクリエイトしている。
リズムにおいても多様なテクスチャーが入り乱れ、ポリリズム=アフリカあるいは西インド諸島といった、これまでの概念をくつがえすような試みが刺激的だ。
文化大臣の言葉どおり、“異文化間の架け橋となるコスモポリタニズムを象徴 ” するような音楽となっている。
ひゃ〜ドイツ、オランダ、そして世界のジャズ・シーンは、動いているぞ!