月曜日・新シリーズ!
「ジャズって何から聴けばいいですか?」と問われること多し。
「ソニー・ロリンズのサキソフォン・コロッサス」と答えたいのはやまやまだけど、このブログのコンセプトに従って2000年以降のアルバムという縛りで、わかりやすさ、かっこよさ、親しみやすさを第一に毎週1枚あげていきたい。
題して “ 試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ ”
(なんで試験やねん)よろしく!
試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ Vol.007
Anders Christensen Trio / Dear Someone / 2009年
アンデルス・クリステンセン・トリオ / ディア・サムワン
デンマーク屈指のベーシスト、アンデルス・クリステンセンと重鎮ポール・モチアンに支えられ、若きアーロン・パークスの才能が静かに揺らめくピアノ・トリオ作品。
Christensen Trio / Dear Someone / 2009年
Bass – Anders Christensen
Drums – Paul Motian
Piano – Aaron Parks
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆☆
Sentimental / センチメンタル度 ☆☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
この “ 試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ ” は、これまでとりあげたアルバムの中から入門的なものをチョイスしているワケなんだけど、今回は投稿したつもりですっかり忘れていた1枚。ということで初投稿アルバム。
ピアノ・トリオ作品で、アルバム・ジャケットどおりリーダーは、デンマーク屈指のベーシストアンデルス・クリステンセン。そして、ドラムが重鎮ポール・モチアン。ピアノがレコーディング時25歳というアーロン・パークスという布陣だ。
まず、ジャケットがカッコいい。ちょっとボブ・ディランのアルバム “ 風に吹かれて ” っぽい。
ただ、このジャケットだと “ Two punks ” って感じだ。でも中味は全然違って、むしろ詩的(パンクだって詩的かもしれんが)だ。
なんかジミだけど好きなアルバム。
朴訥な、そして起伏の少ないピアノなんだけど、アーロン・パークスの詩情、歌心といったものが伝わってくる。
美しきものへの憧れ、ほろ苦さ、みなぎる力、迷い、哀愁、歓び、ときめき、ユーモアが、静かなピアノの中に揺れている。
おとなしいだけでなくグルーヴする曲もあり起伏に富んでいる。アルバムを通してロード・ムービーを観ているかのような、よく出来た短編集を読んでるかのような、そんな心地よいストーリーを感じてしまう1枚だ(ジャケット・デザインに影響されすぎかも)。
このアーロン・パークスの名前は、憶えておいた方がいい。
現代ジャズ、ピアニストの最重要人物。
彼自身のアルバムも素晴らしいけど、いろんな重要作品でクレジットを見ると彼の名前を目にすることになる。
↓ 3曲目 “ Arabesque ” 揺らめく美しさに打ちのめされる。